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例会報告

2023.2〜

(更新 2024.3.11)



2024年2月例会

◆卓話:蟹江昇氏「徒手空拳ー虫と虫屋を語る」;演者は会員の中でもべテラン中のべテランであり、その豊富な経験や、当会や昆虫に関する学術界を牽引された諸先輩方とのエピソードを交え、昆虫採集という趣味との付き合い方について論じられた。矢作川研究所設立に尽力された鱗翅類の研究者である田中蕃氏に依頼されて行った矢作川流域の環境調査、世界的な水生昆虫の分類学者であった名古屋女子大学の佐藤正孝名誉教授から種の在り方について諭されたこと、クワガタの系統学を専門とされる九州大学の荒谷邦雄教授との馴れ初め等は諸先輩方の見識の深さや昆虫採集の実力の高さを窺い知ることができた。また沖縄返還により沖縄県が日本に復帰した直後の半年間かけた南西諸島遠征や、憧れの虫であるクモマツマキやべニボシカミキリを採集した際の喜びは、聞き手にもその興奮が伝わってきた。最後に若手会員やその保護者に向けて、演者のこれまでの経験を総括した内容を人生における昆虫採集との付き合い方の選択肢の一つとして提示され、特にこれからを担う会員にとって大変意義深い卓話となった。
◆一人一話:写真整理とホソミオツネントンボとヤゴくらいしかやることがない/名和昆虫博物館発行の『昆蟲世界』を通読開始/三重と愛知のRDB予備調査/ミドリシジミを観察している武豊町のハンノキ林が伐採/名古屋開催のトンボ研究会に参加、気象情報を用いた大陸産アカネ類の飛来予測が面白い/年明けにウラナミシジミの新成虫(低温型)を確認/北海道旅行の合間に凍った土からオオルリオサを掘り出す/中津川の糖蜜採集でムラサキミツボシキリガを採集/日本昆虫協会の夏休み昆虫研究大賞で銀賞と長畑直和賞を受賞/青春18切符を使って水戸にオサ掘りに行ったところ移動だけで18時間/シイタケ栽培施設でコクガの発生確認/三重県のフチグロトゲエダシャクを採集/チビゴミムシ図鑑出版 (K.I.)


2024年12月例会

◆卓話@:尾関理深氏「蚕のまぶしの違いによる繭作りの個体数の変化」;演者は蚕の飼育研究をこの5年間自由研究として取り組まれてきた。今回はまぶしの設置方法や素材、色などを変えた飼育実験を行い、蚕の好むまぶしについての得られた知見を発表された。あまり馴染みのない蚕飼育の実際を知ることができる興味深い講演だった。
◆卓話A:田中聡子氏「今年採れた虫」;演者は愛工大名電高校の生物部に参加されており、様々な活動に取り組まれている。今回はクモ昆虫談話会の採集会に参加された様子や、オオゴキブリを解剖してセンチュウの存在を確認したこと、セミの抜け殻調査、ハエトリグモー斉調査の様子などについて発表された。活発な部活動の様子を聞き、中高生の頃を思い出し懐かしさを感じる講演だった。
◆一人一話:甲虫学会でオキナワアシナガメクラチビゴミムシの講演を拝聴、立ち見が出るほどの大盛況だった/インフルエンザで採集に行けず/西表島で調査許可をもらい採集調査/与那国と西表で蝶採集、ルリモンジャノメは大量発生/ナミゲンゴロウがいるとふれこみの池に行くもウシガエルがいただけ/ハスモンヨトウの幼虫を飼育、ティッシュを齧って蛹化する/土岐市にマダラナニワトンボを見に行く/時間の合間を縫ってヒサマッミドリシジミの卵探索に行くも現地人と話し込んでしまい満足に採卵できず/ミイデラゴミムシを初めて見つけて感動する/サトクダマキモドキを飼育していたケース中に紛れていた幼虫が羽化しヤエヤマムラサキになる/土岐川でもムシャクロツの発生確認/12月にヒメアカタテハの活動を見て驚く/卒業研究でヒメドロムシの研究 (T.O.)


2023年11月例会


◆卓話:鵜殿清文氏「濃尾平野とその周辺におけるメガネサナエ属について―繁栄と袞退」;演者はトンボについて豊富な知議と経験有し.古くから名古昆虫同好会をリードされてきたベテランである.今回の卓話内容は日本トンボ学会・公開ンンポジウムで話された内容をベースにより噛み砕いて編集したものである.木曽三川や名占屋市内の庄内川.天白川.三河地方を流れる愛知用水.矢作川などにおけるメカネサナエ.ナゴヤサナエ,そして2014年に当地でも発見されたオオサカサナエの3種について.分布や羽化数の現状.分布状況の変化が起こった要因.今後の予測などを表.グラフ.生息環境の写真などを用いて詳細に解説された.綿密な調査,長年にわたるデータの蓄積の大切さだけでなく.そこには先入観に囚われることなくまずフィールドに出てみようというメッセージも込められ.トンボ屋に限らず学ぶことがとても多い卓話であった.(伊藤健太郎)
◆一人一話:沖縄は台風の影響かナミエシロチョウが多い/金魚の瓶にヤゴが侵入/ライトトラップで50cmのヒメオオクワガタを採集/東栄町でヘボ祭りに参加/文化祭で文化部部門1位を生物部が受賞/ミヤマシジミを採りに行くも不発/定光寺でナベブタムシを採集/三重県でルーミスシジミとベニトンボを採集/自己採集カミキリムシは556種/福江島と西表島に遠征/学校の草むらでカマキリを探集するも間もなく草が刈られる/ムシャクロツバメンジミを多治見市で採集/タガメを越冬させている/学校でアキアカネを採集/自宅べランダにムシャクロツバメンジミが毎日のように飛来/会仕の会長と灯火採集/忍者のように虫に忍び寄る技術を身に付けたい/ラベルのデジタル化のための再確認中に新たな発見ノ昆虫クジで特賞のヘラクレスオオカブトを当てる/庄内川でスズムシを採集/神社の茶の花にアサギマダラが飛来するも木は伐採予定/病院のイベントで昆虫の展示会を予定/トンボにシフトしたいがチョウ屋を卒業できなさそう (伊藤健太郎)


2023年10月例会


◆卓話:岡山で探集された日本未記録のトリバガを飼育/岡崎の小学校でクロマダラソテツシジミが発生/開田高原でマヤサンコブヤハズカミキリを採集/平和公園でクロマダラソテツシジミは今年も発生/青森県でマダラヤンマを採集/十岐でマダラナニワトンボの採集案内/長野でアカスジキンカメムシを集/与那国島に陸生ガムシ遠征/天白公園でヒメミズカマキリを採集(T.O.)


2023年9月例会


◆卓話:魚住泰弘氏「愛知県RDBの蝶」:演者は1963年に名昆に人会されてから約60年にわたって主にチョウ類の調査を継続しておられ、また故・佐藤正孝先生の下で愛知県RDBの編纂を開始された2000年代からチョウ類の選定および解説執筆をされてきた。今回の卓話でははじめに、RDBの概要や目的を解説され、混同されやすい生物保護に関する各種条約や法律、条例の説明も補足された後、愛知県RDBに掲載されているチョウ類各種の生息状況の変遷について詳述された。教科書上の知識でなく、長年にわたって実際に演者の目や耳で観測してきたからこそ語れる解説には非常に深みがあり、県内のチョウ類の盛袞
を考える上で非常に有意義な卓話であった。
◆一人一話:平和公南でオオカマキリを採集/岡崎市でクロマダラソテッンジミを採集/岡崎市でツマグロキチョウが大量発生/北海道に陸生ガムシ採集遠征/お盆に温見峠でアイヌコブスジコガネが複数飛来/チョウやトンボ採集の練習中/開田高原でキベリタテハを複数採集/地元でいつの間にかツヤハダゴマダラカ!キリが複数発生していた/学校帰りにムシャクロツバメシジミを見かける/夜間採集中に偶然人工衛星を観測/昔のキマダラルリツバメのポイントを巡るが採集できず/乗鞍の高山帯でイチモンジセセリやウラギンシジミなどを観察/段尸でオオキノコムンを探集/アカボシゴマダラを平和公園で複数数集・観察/和歌山にルーミスシジミを採集に行くが採れず/岡崎市のカワラヒメコロギスを視察、一先ず経過観察することに/沖繩でベニトンボを観察/大学でウスバカマキリを採集/新湯県長岡市までトンボを採りに行くが珍しいものは見られず(T.O.)


2023年8月例会


◆卓話::安居義高氏「虫屋のワーケーション」;演者はインターネット関係の仕事に従事されており、近年の疫病の影響もあって、ここ数年は遠隔勤務をされていた。在宅勤務の休憩がてら近所で甲虫採集をされた際、街中にも多くの昆虫が生息していることに注目され、場所を変えればより多くの甲虫と出会えると考察、この3年間に実行された。今回は名古屋市内から沖縄に至るまで多くの場所でワーケーションに励まれたエピソードを写真も交えて解説された。忙殺され虫採りもままならぬ昨今であるから、社会人の会員各位は転職先の若手は就職先としてワーケーションの可能な職業を夢見たに違いあるまい/(T.O.)
◆一人一話:チョウの季節が読めない/白川郷で名昆採集会/県内でヒメオオクワガタ採集/石垣島でチョウ採集/オレンジ色の布でムモンアカシジミを誘引/自宅の庭でジャコウアゲハが発生/緑区でムシャクロツバメシジミを採集/戸田川緑地でマイコアカネを採集/多肉植物農園のメキシコマンネングサでムシャクロッバメシジミの卵を発見、全国への出荷疑惑/春日井のキイロヤマトンボは未だ見られず/トラブルの連続で夏休みはほとんど採集に行けず/バンダイホソガムシを採集/温見峠に行くといつもの面子/北海道発熱採集行/直翅類の標本寄贈/ニジュウシトリバガの現物を見るが小さく実物は微妙/(T.O.)


2023年7月例会


◆卓話:成田茂生氏「ヤンマの話」;演者はトンボについて造詣が深い。昨年の赤トンボの話に引き続いて、今年はヤンマをテーマとして卓話が展開された。最普通種でありながら絶大な人気のギンヤンマ、最大のトンボで迫力満点のオニャンマ、そして美麗種であり採集歴がトンボ屋か否かの分水嶺となるマルタンヤンマの3種を中心に、ャンマそのものの魅力、ャンマを採る楽しみと採ったときの感動、マルタンャンマ・ヤブャンマ・ネアカヨシヤンマの所謂”黄昏御三家”の攻略法、最も美しいマダラヤンマなど、演者のエビソードも含めて語られた。標本の展示や人生経験に裏打ちされた雑談も花を添え、質疑応答も活発に行われるなど、演者の気さくな人柄が伺える卓話であった。
◆一人一話:キイロヤマトンボを求めて春日井市へ/飼育中のタガメが産卵/ニイニイゼミが部屋に侵入/庄内川でライトトラップ/アシグロアオゴミムシを小田原市で採集/名古屋港でツヤハダゴマダラカミキリを採集/小幡緑地でヒオドシチョウの幼虫を採集/トンボの羽化を撮影したいが悪天候で出られず/ミヤマクワガタを採集するも飼育ケースが不足/赤と青のカナブビンを採集/茶臼山でライトトラップ/ハヤシミドリシジミとキマダラルリツバメを求めて大桑村へ/エゾヨツメ等の幼虫を飼育/飼育中のカブト、クワガタが300頭を超える/セミの幼虫を自宅で羽化/白川郷ではミヤマクワガタが豊作/ROB調査で乗鞍へ/クビアカツヤカミキリの卵はブラックライトで光る/みよし市で展示会を開催(伊藤健太郎)


2023年6月例会


◆スライド大会:恒例のスライド大会で卓話はなし。戸田尚希氏「ベトナムの昆虫」でベトナムの昆虫写真を紹介された。杉坂美典氏「チョウの違いクイズ」でよく似たチョウの同定クイズをされた。
◆一人一話:べニスズメの幼虫飼育/福島でカミキリ採集/家庭菜園で昆虫観察/大府市でヤナギチビナカボソタマムシを採集/今年はアカシジミの発生が早い/誕生日プレゼントで灯火セット/樹液前でライトトラップ/RDBの日程がタイト/カブトムシ飼育でシーズンを知る/豪雨で岡崎のギフチョウが危機的/宮古島でケシキスイのサンプリング予定/西表から持ち帰ったキマワリの幼虫がイリオモテキマワリに化ける/近場の採集中に熱中症で救急搬送/ミヤジマトンボの観察/自宅周りで見られた蝶が年々減少/(T.O.)


2023年5月例会


◆卓話:伊藤健太郎氏「確率の壁を超える採集のために〜一流の虫屋を目指す者達へ〜」;演者は昆虫採集・撮影を趣味とされる一方、本職では数学の研究をされている。今回の卓話では数学の一大分野である「確率」のもっとも基本的な考え方について昆虫採集を例として概説された。これから確率を学ぶ若手会員にとっては良い「確率」の入門となる講演で、卓話後は「確率」について活発な質疑応答が行われた。
◆一人一話:飼育中のカプトムシ幼虫が全て雌/マサキからミノウスバの幼虫を採集/岐阜でウスバシロチョウ採集/ギフチョウ採集会は盛会/日本産の蝶250種採集達成/ベトナムで蝶採集/クロシデムシを採集して叱られる/沖縄でムネマダラトラカミキリを採集/滋賀県でツマグロキチョウを採集/水鳥谷に行ったら後輩とばったり遭遇/部活での灯火採集を再開/00号針を紛失し家中大騒ぎ/奄美大島で蝶採集/静岡でオナガアゲハを採集/コオニヤンマを飼育/日本産蛾類図鑑の縮小版作成/水鳥谷でマグソクワガタ採集/(T.O.)


2023年4月例会


◆卓話:大野康司氏「採集会の宣伝」;演者はかっての様な「昆虫採集の復権」を目指して、数年に亘り次世代育成事業やサマースクール、名昆の再集会を企画幹事として実施されてきた。今回はこれまで実施されてきた採集会の内容やそれを行うに至った背景について解説され、例会に出席した会員全体に対して企画幹事の業務内容の詳細について周知された。楽しかった採集会の思い出を振り返り、また皆で採集会に参加したいと思わされる内容だった。
◆一人一話:飼育していたカゲロウの幼虫が羽化/恵那・大山でギフチョウの発生状況確認/卓話効果でYoutube登録者が増加/石垣島で蝶採集/定光寺でガの採集中、山から悲鳴が聞こえて怖い/平和公園でガの幼虫を採集/名昆の採集会でイボタガを採集/福井でギフチョウ採集/西広瀬でギフチョウ採集/庄内川でヤナギチビタマムシを採集/入鹿池でギフチョウ採集/セグロアシナガバチが昨年と同じ場所で巣作り/名古屋市でスギカミキリ採集/(T.O.)


2023年3月例会


◆卓話:早野光哉・早野恵亮氏「昆虫に夢虫!虫好きからyoutuberの道」;今回の演者は小学生の兄弟で,『昆虫兄弟』としてyoutubeチャンネルを運営している。意外な事に嘗ては虫が怖かったという過去があったが,昆虫のイベントを観覧したことをきっかけに克服し虫好きの今に至る.卓話では好きな昆虫,飼育している昆虫,思い出の昆虫などのエピソード,youtubeを始めたきっかけや動画作成の裏話,動画で心掛けていることなどが語られ,最も再生数を稼いだ動画が再生された。終始笑いも絶えない明るくすがすがしい雰囲気の中,youtubeを通じた昆虫の新たな楽しみ方の可能性も示された実り多き卓話であった。
◆一人一話:大学生とゾウムシなどを採集/ヤゴの世話で忙しい/台湾に6往復分のマイルがたまる/沖縄遠征.同行者が汚水に転落/昨日沖縄から帰還.飛行機の直前に汚水に転落/カブトムシのケースにコバエが発生.対策を考案中/甲虫が採れないためチョウの初見記録を集める/pcが破損し,ギフチョウの採集のデータを損失/昨年採集した虫を収納/今年こそは南西諸島に行きたい/長竿を破損,パーツも欠品中で途方に暮れる/名和哲夫氏の講演を企画/今年はチョウの発生が早すぎる/庄内川でマイマイカプリを採集/サッカー中にチョウを目で追いシュートのチャンスを逃す/ハズキルーべを使用しコムラサキの幼虫を採集/本の帯コンクールで表彰されるも作品を失念/愛知県のフチグロトゲエダシャク情報求む/天白区でツマグロキチョウを採集/長竿の変換ネジでたも網を改造/名古屋市内でミズカマキリを採集/豊田市でチビクワガタを採集/(伊藤健太郎)


2023年2月例会


◆卓話:秋田勝己氏「日本産力ミキリムシ大図鑑(11)の楽しみ方」;演者はアマチ=ア研究者として長年甲虫の蒐集・研究をされており、近年では『日本産ゴミムシダマシ大図鑑』『日本産力ミキリムシ大図鑑(I)』などの図鑑を出版されている。今回は丁度例会前日に出版された『日本産力ミキリムシ大図鑑(Il)』の見どころや図鑑製作時のエピソードなどを紹介された。カミキリムシの様な解明度の高いグループであっても様々な地域の標本を多く観察することなどにより、まだまだ新知見を見出すことができることが確認され、今一度よく解明されている分類群に取り組むモチベーションが高まる講演だった。
◆一人一話:梅干しご飯にオオゾウムシが混入/ムシャクロツバメシジミの生態について卒論完成/岡崎でハンミョウの群れを見て感動/飼育中のクワガタ幼虫が行方不明/トンボ学会の打ち上げを楽しむ/これまでのトンボの成果を発表していきたい/虫屋さん、トンボ屋さんなどの言葉を知り衝撃/奄美大島で面白い虫が見たい/去年採集した蝶の標本作り/飼育していたクワガタに指を噛まれる/ヒサマツミドリシジミの卵採集中に長竿が折れる/津島市でゴマダラチョウの採幼/ハチの巣を発見して嬉しい/ミドリシジミの幼虫採集が楽しみ/ムシャクロとクロの交雑実験を来年やりたい/学校の先生との面談で虫談義/伊良湖岬で採集/近所の公園でメダカチビカワゴミムシを採集/生物部でフェモラータオオモモフトハムシの採集/名古屋市内で糖蜜採集をして新鮮だった/高校の裏山でトビムシやカマアシムシを楽しむ/会長と沖縄に行くのが楽しみ/飼育ケースからクロバネキノコバエが大量発生/20世紀初頭に記載されて以来記録の無いトリバガを検視/クワガタの飼育を楽しむ/海岸で普段見慣れないカミキリが採れて新鮮/(T.0.)